【徹底解説】美容師の仕事内容とは?

美容師の役割と基本知識

美容師とは何か?

美容師とは、国家資格である美容師免許を取得した人の事を指します。

美容師の仕事は、美容室においてお客様の要望を聞きながら、髪の毛をカット、カラーリング、パーマなどの技術を用いて美しく整え、お客様の個性を引き出す職業です。美容室ごとに特徴があり、施術メニューも異なりますが、基本的にはヘアスタイルに関するサービスを提供しています。一部の美容室では、ハンドマッサージやネイル、エステ、まつげエクステ、ヘッドスパなどの特殊なメニューも用意されています。

美容師と理容師の違いとは

美容師と理容師は、ともに髪や容姿を整える専門家ですが、以下の点で
提供できるサービス内容が異なります。

項目美容師理容師
できる仕事カット、カラー、パーマ、縮毛矯正、ヘアセット、メイク、着付けカット、顔そり、シャンプー、マッサージ
使用できる道具ハサミ、電気バリカン、パーマ機、カラー剤、化粧品ハサミ、電気バリカン、かみそり、シェービングクリーム
取得する資格美容師免許理容師免許
養成施設美容師学校、専門学校理容師学校、専門学校

美容師と理容師は、それぞれ異なる専門分野に特化しています。
美容師は主に女性向けやお客さまのヘアスタイルをカットやカラーリングで美しく整える美容サービスに焦点を当て、理容師は主に男性向けの髭剃りや頭髪の管理に専念しています。
それぞれの職種は異なる教育とライセンス要件を持ち、顧客のニーズに応じて専門的なサービスを提供しています。

美容師になるためのステップ

美容師免許の取得

美容師免許を取得することは、美容業界で働くための法的要件であり、
専門的な技術と知識を持つことを証明する重要なステップです。

美容師免許を取得するには、以下の3つのステップが必要です。

①厚生労働大臣指定の美容師養成施設で2年以上学ぶ

②美容師国家試験に合格する

③都道府県知事に美容師免許申請を行う

美容師は国家資格であり、美容師法に基づいて免許の取得が定められています。

美容師養成施設には、昼間課程、夜間課程、通信課程があり、それぞれ修業年数が異なります。
美容師国家試験は、筆記試験と実技試験があり、年に2回実施されています。美容師国家試験の合格率は約60%です。

種類修業年数入学資格主な学習内容
昼間課程2年高校卒業程度カット、カラー、パーマ、メイク、着付けなど
夜間課程3年高校卒業程度昼間課程と同じ
通信課程3年以上高卒見込み者を含むテキストやDVDで学習

※美容師養成施設の費用は、公立学校で約20万円、私立学校で約100万円~200万円です。

美容師国家試験の概要

美容師国家試験は試験は筆記試験と実技試験の2つで構成されています。
美容師国家試験は、筆記試験と実技試験の両方に合格する必要があります。

  1. 筆記試験

美容に関する基本的な知識や技術、衛生管理などについての問題が出題されます。
5つの分野から出題され、合計55問に答える必要があります。
合格基準は60%以上であり、筆記試験: 全55問中60%以上の正答率が求められます。

出題分野は以下の通りです。
・関係法規・制度および運営管理
・衛生管理
・保健
・香粧品化学
・文化論および美容技術理論

  1. 実技試験

実際にヘアカットやカラーリング、パーマなどの技術を実演して評価されます。合格基準: 合格基準は試験を主催する機関によって異なりますが、一般に一定の合格率や技術的な水準を満たす必要があります。

3つの課題から出題され、制限時間内に完成させる必要があります。
合格基準は減点法で、各課題で定められた減点を超えないことが必要です。

出題課題は以下の通りです。
・衛生上の取り扱い試験
・基礎的技術試験
・応用技術試験

<試験日程>

試験は年2回、春期と秋期に実施されます。

春期試験:2~3月中旬
秋期試験:8~9月中旬

<受験資格>

厚生労働大臣指定の美容師養成施設で2年以上学ぶ
美容師養成施設の卒業見込み者
合格発表

試験結果は、試験日から約1ヶ月後に発表されます。

美容師学校の選び方

美容師学校を選ぶ際には、将来のキャリアに大きな影響を与えます。良質な教育を受けることは、技術の向上や成功への道を切り開くために不可欠です。施設の評判やカリキュラム、教育内容、施設の設備などを総合的に考慮し、自分の目標やニーズに最も適した学校を選ぶことが重要です。

■美容師学校を選ぶ際には、以下のポイントを参考にしましょう。

①カリキュラムと教育内容: 希望する技術や知識を学べるカリキュラムであるか

②施設の設備と環境: 実習に必要な設備が整っているか

③就職率&国家試験合格率: 卒業後の就職に有利な学校であるか

④学費: 予算に合うか

⑤雰囲気・評判、口コミ: 学校の雰囲気や講師との相性雰囲気: 校風や講師との相性が良い学校を選ぶ。

カリキュラムと教育内容:

学校の公式ウェブサイトや資料を通じて、カリキュラムや授業内容を確認しましょう。
ヘアカット、カラーリング、メイクアップ、スキンケアなど、自分が学びたい分野がカバーされているか確認しましょう。
カットやカラー、パーマなど、基礎的な技術だけでなく、最新の技術も学べるカリキュラムを選ぶ。

施設の設備と環境:

美容実習や理論授業に必要な施設や設備が整っているかを確認しましょう。
サロンスペースやカット台、カラーリングブースなどが充実しているかどうかをチェックします。

就職率: 90%以上など、高い就職率を誇る学校を選ぶ。
国家試験合格率を確認、美容専門学校の公式ホームページには美容師国家試験の合格率が掲載されています。
高い合格率とサポートの手厚い学校を選びましょう。

教員の質と経験:

教員の経歴や実務経験を調査し、専門性と指導力の高さを確認しましょう。
教員のサポートや指導が充実しているかどうかを考慮します。

学費: 家族や自分自身の予算に合う学費の学校を選ぶ事。不足しているようであれば奨学金制度を活用する事を検討しましょう。

評判と口コミ:

学校の評判や生徒の口コミを調査し、実際の学校生活や教育環境についての情報を得ましょう。
オンラインのレビューやSNSのコメントを参考にすることも役立ちます。
雰囲気: 校風や講師との相性が良い学校を選ぶ。

美容師の仕事内容

髪に関する施術

美容師の髪に関する施術内容は、顧客の要望や髪の状態に応じて多岐にわたりますが、基本的な施術としてはカット、カラーリング、パーマ、トリートメントなどが挙げられます。

1. カット: お客様の髪型や希望に合わせてカットする基本的な施術です。お客様に最適なヘアスタイルを提案します。

2. カラーリング: カラーリングはお客様の髪の毛を染める施術です。髪の色を変えたり、白髪を染めたりする際に行われます。自然なカラーからポップなカラーまで幅広い選択肢がありお客様の希望に合わせて、色や明るさを調整します。

3. パーマ: お客様の髪の毛を波状にしたり、カールさせたり髪の毛の形状を変える施術です。ロッドや薬液を用いて、お客様の希望に合ったパーマをかけます。

4. トリートメント: ダメージを修復し、髪を健康な状態に保つためのトリートメントは、美容師の重要な施術の一つです。

5.縮毛矯正

くせ毛を伸ばして、直線的な髪型にする施術です。縮毛矯正剤を用いて、髪質を変化させます。

6.ヘアケア

シャンプーやトリートメント、ヘアパックなどを用いて、髪の毛を健康に保つ施術です。お客様の髪質に合ったヘアケア製品を選びます。

髪以外の施術

美容院でトータルビューティーを追求したいというニーズが高まっています。
特に、若い世代は、ヘアカラーやヘアカットだけでなく、メイクやネイル、まつ毛エクステなどの施術も
まとめて受けたいと考えている人が多い傾向となっています。

メイクアップ: 美容師は、特別なイベントやファッションショーなどでメイクアップアーティストとして活躍することもあります。
肌のトーンや顔の形に合わせて、メイクのアドバイスや実際のメイクアップを提供します。

スキンケア: フェイシャルトリートメントやボディマッサージなどのスキンケア施術は、
顧客の肌を健康で美しく保つために行われます。リラックス効果もあります。

ネイルケア: ネイルアートやマニキュア、ペディキュアなどのネイルケアは、
手や足の美しさを引き立てます。自己表現やファッションの一部として重要です。

着付け:
特に日本では、美容師は着物の着付けも行います。結婚式やお祝い事などでお客様を美しく装います。

まつ毛エクステンション:
まつ毛エクステンションは、美容師の技術で行われる施術です。お客様のまつ毛を長くしたりまつげを付けて増やすなどの施術を行います。

美容師の働く場所

美容院・ヘアサロン

美容院
一般的に、美容院はカジュアルな雰囲気で、カット、カラーリング、パーマ、トリートメントなどの基本的な美容サービスを提供します。
美容院は、一般的な美容師の仕事の場として広く知られています。

ヘアサロン
ヘアサロンは、より高級感のある雰囲気やサービスを提供することが特徴です。
トレンドの最新スタイルや特別なヘアケアプロダクトを提供することがあります。

トータルビューティーサロン

トータルビューティーサロンは、

美容師が髪だけでなく、メイク、スキンケア、ネイルなど、美容全般のサービスを提供する施設です。
顧客は一つの場所で全身の美容を行うことができます。

専門店(ヘアカット・カラーリングなど)

ヘアカット、カラーリング、パーマ、トリートメントなどの専門的な髪の美容サービスに特化してサービスを提供しています。

■専門店の種類

ヘアカット専門店
カラーリング専門店
縮毛矯正専門店
パーマ専門店
メンズカット専門店
レディースカット専門店
キッズカット専門店
ブライダルヘア専門店
エステ・ネイル専門店

美容師の給与と将来性

平均月給・年収

2024年3月現在、美容師の平均月給は約27万円、平均年収は約324万円です。
ただし、個々の状況や勤務先、経験や地域によって大きく異なります。

  1. 厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」
    美容師を含む理容・美容サービス業の平均月給は27万1000円、平均年収は326万8000円です。
    男性美容師の平均月給は29万4000円、女性美容師の平均月給は23万8000円です。
    美容師の年齢別の平均年収は、20代前半で約250万円、30代前半で約300万円、40代前半で約350万円、50代前半で約400万円です。
    ※美容業界は 固定給+歩合制 が多いため、指名が多く取れれば平均を上回る年収を得ることも可能です。
  2. 美容師求人サイトのデータ

美容師求人サイトのデータによると、美容師の平均月給は25万円~30万円、平均年収は300万円~350万円です。

独立開業の可能性

給与が低く、収入を上げたいという方は多くが独立を志します。

美容師が独立開業する可能性は高く、多くの美容師が独立して成功しています。
しかし、独立開業には様々な要素が関わり、成功するためには、
資金準備、技術・知識の習得、顧客の獲得、経営ノウハウの習得など、様々な準備が必要です。

美容業界は成長しており、独立開業の美容師が増加しています。
日本の経済産業省の調査によれば、美容関連の事業者数は増加傾向にあります。
また、美容業界は常に新しい需要が生まれており、個人のニーズやトレンドに応じたサービスが求められています。
美容師国家試験合格者の約10%が独立開業すると言われています。
近年では、美容師の独立開業への関心が高まっており、独立開業支援サービスを提供する企業も増えています。

独立にはいくつかのパターンがあります。

■独立パターンの例
個人サロンの開業: 自分のサロンを持つことで自由度が高まります。ただし、全ての判断を1人で行うため、経営者としての知識も必要です。

パートナーシップ契約による開業: パートナーと共同でサロンを運営する方法です。費用面の負担を減らせますが、信頼できるパートナーを見つける必要があります。

のれん分けによる開業: 既存のサロンの屋号を借りて新たな店舗を開業します。知名度を活用できる一方、契約内容を注意深く確認する必要があります。

フランチャイズ契約による開業: フランチャイズ本部の加盟店として開業します。ブランド力や経営ノウハウを利用できますが、自由度は低いです。

美容師のやりがいと魅力

お客様からの感謝

美容師にとって、お客様からの感謝の言葉や気持ちは、何よりも嬉しいものです。美容師にとって大きな喜びであり、
感謝の気持ちは、美容師のモチベーション向上や仕事の質向上につながります。

美容師は、お客様の髪型やメイクを、お客様の希望に合わせて美しくします。
お客様が美しくなることで、自信がつき、気持ちが明るくなります。
お客様の喜びや感謝の気持ちは、美容師にとって大きな喜びとなります。

美容師の仕事のルーティン

一日の流れ

出勤と準備: 朝に店に入り、掃除や器具の準備を行います。
朝礼と営業開始: スタッフ全員でスケジュールを共有し、接客・施術を始めます。
休憩: 休憩時間は日によって異なりますが、忙しい日はゆっくり休むことが難しい1.
閉店と残業: 閉店前に予約受付を終了し、残っているお客様の接客を行います。その後、店内の掃除や練習をします。
個人練習: 終了後に技術向上のための練習を行います。

準備と清掃: 美容サロンが開店する前に、美容師は店内を清掃し、必要な機器やツールを準備します。
顧客の接客: 顧客が予約した時間に合わせて、美容師は顧客を受け入れます。カウンセリングを行い、顧客の希望や要望を確認します。
施術: ヘアカット、カラーリング、パーマ、スタイリングなど、美容師は顧客の要求に応じた施術を行います。施術中には、技術を駆使し、顧客とのコミュニケーションを保ちます。
レジ業務: 施術が終了したら、会計を行います。顧客に適切な料金を請求し、支払いを受けます。
アフターケアと次回予約: 最後に、顧客にホームケアのアドバイスや次回の予約を勧めます。顧客の満足度を高め、リピート率を向上させます。

午前9時:出勤、開店準備
午前9時30分:朝礼
午前10時:顧客の予約確認、カルテ記入
午前10時30分:顧客へのカウンセリング
午前11時:シャンプー、カット
午後12時:ランチ休憩
午後13時:カラーリング
午後15時:顧客への仕上げ
午後15時30分:レジ業務
午後18時:退勤
午後20時:練習会
午後22時:帰宅

美容師の将来性とキャリア

ディレクターや店長への道

美容師のキャリアパスとして、ディレクターや店長への道があります。

ディレクター

スタイリストとしての技術力に加え、顧客のカウンセリングやメニュー提案、スタッフの指導などを行います。
美容師としての経験とマネジメントスキルが求められます。

店長

サロン全体の運営責任者であり、売上や顧客満足度、スタッフの指導などを行います。
経営スキルやリーダーシップが求められます。

  1. 美容業界のキャリアパス

美容師は、一般的にスタイリスト、ディレクター、店長というキャリアパスがあります。
スタイリストとして経験を積み、技術力やマネジメントスキルを向上させることで、ディレクターや店長を目指すことができます。

  1. スキルアップ

ディレクターや店長になるためには、美容師としての技術力に加え、マネジメントスキルや経営スキルなど、様々なスキルを習得する必要があります。
スキルアップすることで、キャリアアップを目指せます。

  1. 収入アップ

ディレクターや店長になると、スタイリストよりも収入が高くなります。
責任も増えますが、それに伴い報酬も増加します。

  1. やりがい

ディレクターや店長として、スタッフの指導や育成を行うことで、美容師としての成長を実感できます。
サロン全体の運営に携わることで、大きな責任とやりがいを感じることができます。

実例
ディレクター

スタイリストとして5年間勤務
カット、カラー、パーマなどの技術力に自信がある
顧客のカウンセリングやメニュー提案が得意
スタッフの指導経験がある
店長

ディレクターとして3年間勤務
経営スキルやリーダーシップがある
スタッフの信頼を得ている
売上目標達成の実績がある

まとめ

美容師の仕事内容を詳しく解説してきましたが、興味を持ちましたでしょうか?日々毎日多くのお客様に接し感謝の言葉をいただける素敵な仕事です。ぜひ皆様も美容師を目指してみてはいかがでしょうか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です